母性じゃなく努力で母親らしくなるんです、女性だって。漫画『離婚してもいいですか?』感想【ネタバレあり】

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母性じゃなく努力で母親らしくなるんです、女性だって。漫画『離婚してもいいですか?』感想【ネタバレあり】マンガ

ちょこちょこ広告で出てきて気になっていた野原広子さんのマンガ『離婚してもいいですか?』。

私は夫の不倫発覚が最後の決め手ですでに離婚しちゃってるんだけど、「わかる…そうなんだよ、それだよね…」と過去を振り返りながら思うことがたくさんありました。

スッキリ前向きなわけじゃないし、ざまぁ系なわけでもないし、なんなら「え、これで終わり?」って思うかもしれないけど、リアルです。すごく現実的なストーリーで共感ポイントにあふれています。

ぜひ、夫婦関係に疲れていて、誰にも相談できなくて、ガマンばかりしているママさんに読んでほしいな…と思う作品です。

マンガはこちら→ 『離婚してもいいですか?

あらすじ

34歳パート主婦の志保。8歳と6歳の男の子二人のママ。2歳年上の夫は、子どもっぽくて自己中。

子どもの朝の支度のお手伝いも、丸まったまま洗濯カゴに入っている使用済みくつ下をのばすのも、病気の子どものお世話も全部ママの仕事。

「主婦なんだから」
「母親なんだから」

そんな言葉に傷ついて、ちょっとずつ夫に期待することをやめようと思っているけれど、夫婦なのに…と涙する日々。

それだけじゃなく、夫は子どもが生まれて専業主婦になったころから、つねに上から目線で見下すような言葉も言うように…。

「母乳出ないの?母親失格〜」
「家で子育てしてるだけで楽でしょ?」
「オレは外で働いてきてんだよ」
「なんでこんなことできないの?」
「ホント、キミはだめだよねー」

そして、機嫌が悪いと物にあたる。

でも、ヨソの人から見たら「いいダンナさん」なのです。毎日ちゃんと働いて、借金もなく、浮気するでもなく、妻子への直接的な暴力はない。

「決定打」がないことが離婚に踏ん切れない理由…?

と悩んでいたときに、夫の会社の大きな人員削減の話が出ます。
夫はのんきに「田舎に帰って実家手伝うのもいいな、再就職とか難しいし」…と!

この悩んでいる状況で、夫の家族以外、誰も知り合いのいないところで、夫によく似た義兄と夫の味方ばかりいるあの場所に行く…そう考えると「それならば…」と思う。

けれども、行き着く考えは、「もっとしっかりした仕事で、もっとお金があったなら」。

日々悩む中で、あるとき夫が子どもに八つ当たりのような叱り方をするのです。
それを見た主人公は、想いが爆発します。

「あなたの物にあたるところが嫌」
「あなたの田舎についていかない」
「あなたの気分に振りまわされるのは、もう疲れた」
あなたと結婚したの、人生最大の失敗!

それを聞いた夫は…。

結婚9年め、2児の母。夫は中小企業のサラリーマン。見かけはいたって平和な普通の家族。だけど・・・「離婚」 その2文字が浮かばない日はありません。妻である以上、一度はちらつく「離婚」の2文字。その思いにとらわれ、向き合い、2人の幼い子を前に志保が出した結論とは? 一見平和な家庭に影を落とす、夫の人としての冷たさ。抑圧された妻の人格。「幸せそうに見られたい」願望。 平和だけど不穏な家族の物語。
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ひまり
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ちょこっとネタバレ感想

子どもができたら、妻には「母親らしさ」を当然に期待するのに、自分は変わらない夫。
ネットや雑誌などでよく見かけるのが

「女性は母性があるし、妊娠中ずっと赤ちゃんがお腹にいるから、生まれてすぐ母親らしくなれるのが当たりまえ」
「男性は、女性と違って生まれて初めて赤ちゃんに出会うから、そこから父性を育み始める」

といった言葉。以前、軽く炎上していた方のツイートを検索したら出てきました。

子育てコーチングを仕事と謳っている男性のプチ炎上ツイート

この方の見解はさらにコメントで続くんですが

「身体で我が子を感じている女性と、視覚だけの夫では、やっぱり感じ方が違う」
「仕事を任せられたら責任を感じるように、パパに任せてあげたら、きっと子育てにも協力的になってくれるはず」
「父親なんだから、しっかりしろよ!といったところで、自覚が急に芽生えるわけでもない」
「パートナーとよりうまくやっていくにはどうしたら良いかというと、”上手に育てる”ほうが結果的に、いい家庭運営につながる」
「内心『余裕ないのになんで夫も一緒に育てないといけないんだ』と思いつつ、上手にコミュニケーションしたほうが自分自身が楽になる」

すごいですね。妊娠・出産で心身ともに疲弊している妻に対して、「余裕なくとも、夫も育てろ。1年育てながら待て」と言ってるわけですね。

たとえお腹の中で1年弱赤ちゃんと接していたとしても、赤ちゃんに初めて触れるタイミング・お世話が始まるタイミングはパパもママも一緒なんですけどね。

ママだって「うまくいかない・やらないことがあっても、できることから任せて」ほしいよね、本当は。だけど、そんなわけにいかないじゃない。パパだけじゃなく、ママもできることだけやってたら死んじゃうし、赤ちゃん。

と、感想の前置きが長くなりましたが、要するに女性だって、突然母親らしくなれるわけじゃなく、努力してがんばるわけですよ。命を育むために。

ほんとこのリプライの方の言葉のとおりだなって思います。

でも、このマンガのパパさんは、子どものことよりも『自分』なんですよね。ママは自分のやりたいことなんて後回しどころか考える時間もない状態で、必死で育児してるし、その隙間を使って家事もしてる。

せめて、くつ下くらい洗濯しやすく、脱いだら丸まっているのをのばしてほしい。大人なんだから、自分のことは自分でしてほしい。子どもが泣きやまないなら、「どうすれば泣き止むか」一緒に考えてほしいし、抱っこだって交代しあいたい。仕事でどうしてもそういうのが無理なら、せめて「いつもありがとう」って思ってほしいし、言ってほしい。

ひまり
ひまり

そう、そうだった。私もそう思ってたーーー!!

と、ふつふつと当時の思いがよみがえりました。

結局この主人公はどうしたの?

『離婚してもいいですか?』に話、戻します。

「あらすじ」のあと、とうとうこのパパさんはママさんに手をあげてしまうんですね。そして、「これが決定だ…?」と思って仕事に行くと…。

  • 暴力だけでなく、暴言や物にあたるのも立派なDVだと教えてもらう
  • 暴力ふるったあとにあやまるのもDVの典型と教えてもらう
  • 同じ職場のシングルマザーさんが掛け持ちで仕事をしていて大変そうだと聞く

とりあえず、殴られて腫れた頬をマスクで隠しながら行った職場でこんな話を聞きます。経済的な不安は感じつつも、住む場所を探して内見してみる主人公・志保。

でも、このケンカ、実は子どもたちの目の前で行われていたので、子どもたちがとても傷ついていたんですね。学校での様子にも変化が出て、それに気づいた担任の先生から電話がかかってきたりもして、揺れ動く志保の心…。

それでも、子どもと三人でお散歩しつつ、「ママと三人で暮らすのはどう?」と子どもに問いかけてみたら…。ママに暴力を振るうパパへ悪態をついていた次男が「パパ一人でかわいそう。早く帰ろう」と言い、ずっとだまっていた長男も「パパとママ一緒がいい。お願いだから。ボクがママを守るから」と泣くのです。

結局、夫はリストラの対象にはならずに田舎に帰る話も消え、「暴力を次回振るったら絶対に許さない」と言う志保に膝をついて謝る夫。そんな二人を見た子どもたちがまた、間を取り持とうと必死になるんですね…。

「私が子どもたちを守らなきゃ」そう思って、ガマンする志保。こんな子どもの姿を見たら、そりゃあキツイですよね…。

夫婦の関係は変わったのか?

後日談として、家族でのお散歩シーンがあるんですけど、一見、これ以来、家族思いっぽくなったパパ。くつ下はちゃんとのばして洗濯カゴに入れてあるし、家事も手伝ってくれる。

でも、ちょっと経ったら…ふとした会話に出た「ほんと、ママはつまんないなー」。そう、人はカンタンに変わらないんですよね。

「きっと、いつか離婚できますように」と終わるこのマンガ。あとがきで著者の野原広子さんも「賛否あると思いますが…」と書かれています。ただ、それは「これが正しい」ではなく、「もし、あなたが志保だったら、何を一番大事にしたい?」という気持ちを込めたそうです。

私もこのマンガに共感したのは、私の元夫が

  • くつ下も丸まってたし、切った爪もそのへんに置きっぱなし。ゴミも捨ててくれなかった。
  • 妊娠・出産でいったん専業主婦になった私を見下すようになった。
  • 「俺がいないと生活できないくせに」という発言をするようになった。
  • 子どもよりも自分中心だった。(実際に子どもに「パパは一番誰が大事?」と聞かれたときも「パパはね、パパが一番大事だよ。ママと子どもたちは2番だよ」と答えた)

という経験があったからです。でも、私もこのときはまだ自分がガマンすべきって思ってました。

でも、結局、元夫は不倫に走り、子どもの卒業式・入学式にも不倫相手を優先し、私のいないところで子どもたちにも暴言を吐くようになり、子どもたちが怯えるようになったので、離婚を決意したんですよね。

子どもがいなければ、「自分の幸せってなんだろう」と考えればいいけど、子どもがいると子どもにとっての幸せってなんだろう…って悩んじゃいますよね。でも、ガマンを子どものせいにしてもいけないし。

他人から見たら「なんでそんな状態で離婚しないの?」って思ったとしても、本人はすごくすごく悩んでいるんだろうなって思います。でも、話が重いから周りに心配かけたくないし、安易に「離婚すれば?」と言われても困っちゃうし、人に相談もできなかったりするんですよね。

解決にはならないけど、そんな方に読んでほしいマンガだなって思いました。悩んじゃうのもしょうがないし、自分だけじゃないんだって思ってほしい。

そして、少しでも気持ちがホッとしたら、この主人公のように相談できる誰かがいないかなって視野を広げてくれたらいいなって思います。

結婚9年め、2児の母。夫は中小企業のサラリーマン。見かけはいたって平和な普通の家族。だけど・・・「離婚」 その2文字が浮かばない日はありません。妻である以上、一度はちらつく「離婚」の2文字。その思いにとらわれ、向き合い、2人の幼い子を前に志保が出した結論とは? 一見平和な家庭に影を落とす、夫の人としての冷たさ。抑圧された妻の人格。「幸せそうに見られたい」願望。 平和だけど不穏な家族の物語。
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