マンガ『ミステリと言う勿れ』を知ったのは、菅田将暉さん主演のフジテレビのドラマから。ドラマの番宣のニュースでチラッと見た菅田さんの髪型がとても独特で印象的だったんですね。
「ギャグっぽいドラマなのかな?」なんて思ってたんだけど、漫画アプリでオススメにあがってきたときに「マンガを再現してああなったのか!」とわかり、興味をそそったのでした。(漫画の表紙は下のとおりギャグっぽくなかった)
といっても、ドラマは見ていなかったし、マンガを読んだのも2022年も後半というタイミングでした。読んでみたら、あれよあれよと読み漁ってしまうほどの面白さ。特にタイトルにも書いた「真実は一つじゃない。一つなのは…」というところで「たしかに!」と思い、いつか何かで使おうと思ったほどです。
「あ〜なんか読んじゃったな…時間がもったいなかったな」と思うことが一切なく「読んでよかった!次の巻が待ち遠しい~」と思うような作品です。ぜひ、あらすじも感想もご覧ください。
マンガはこちら→ 『ミステリと言う勿れ』
あらすじ
大学生男子の主人公『久能 整(くのう ととのう)』くん。
めったにしない料理をしていたある週末、突然、警察がやってきて、殺人事件の容疑者として任意同行を求められました。
まったくもって身に覚えのない主人公。しかし、目撃者や指紋付き凶器などが「そろいすぎている」と一人の刑事に言わせるほどに出てきます。
暗い公園なのに目撃者はよくはっきり見えましたね。
その人は何をしてたんですか?僕はどんな洋服を着てましたか?
というか、警察の皆さんはその目撃者の人をよく知ってるんですか?
静かに淡々と気になったことを聞いていく主人公。若いちょっとおっちょこちょいの男性刑事さんに「うわぁ、なんか語るヤツだ。めんどくせぇ」と言われるタイプ。
理論的で落ち着いていて、でもフワフワしているようにも見えるけれど(髪型のせいもあるかも)
何もしてない僕を冤罪に落とし込むほど警察はバカじゃないと思ってますから。
それともバカなんですか?薮さん。
なんて、その場のボス刑事に振ってしまう強さも。(自分がこんな目にあったら、言ってみたいけど実際は絶対言えないで終わるだろうセリフ)
ボス刑事以外の取り調べにかかわっている刑事4人に「めんどくさいヤツ」と思わせつつも興味を持たせてしまう整くん。
刑事たちのふとした日常会話も覚えていて、取り調べの合間にその日常会話に出てきた問題・不満を解決しちゃうことから、意図はしていないものの、どんどん刑事さんを味方に引き込んでいきます。
そして、自分が殺人犯じゃないことを証明するだけではなく、なんと真犯人も…!
あらすじで内容はわかってしまうし、よくある話のように感じられるかもしれませんが、この漫画の醍醐味は、
だったりします。まさに『ミステリと言う勿れ』。でもやっぱりミステリーなんですけどね。
そこを楽しみにぜひ読んでみてください!そして、読んでみたら、この後に続く私のちょこっとネタバレ感想にも目をとおしてくださるとうれしいです。一つなのは真実ではなくて…のこともそちらに書いています。(あらすじでほぼネタバレじゃないの?と思われた方。読んでみたら、全然ネタバレじゃないことがわかってもらえると思います…!)
ちょこっとネタバレ感想
容疑をかけられていることに怒りを感じつつも、それをおおっぴらには見せずに人のちょっとした反応や言葉の使い方、そして、この冤罪が起きる数年前のできごとに遡って思い出すことができる記憶力…。
漫画だからおもしろいけど、クラスメイトだったら友だちになるか…というと、その人となりを知ることなく終わってしまいそうな不思議な魅力の整くん。
まず、印象的なエピソードは、味方にした刑事さんへのアドバイス。中でも、ぜひパパさんたちにも読んでほしいと思ったのが、もうすぐパパになる池本巡査のエピソードです。
ゴミ捨てはどこから?池本巡査のエピソード
昨日と違ってシャツにアイロンがかかってない、靴は汚れてることから、妊娠中の奥さんとケンカしていることを当てた整くん。
「忙しい警察官なのにゴミ捨てはしていて、少しは手伝ってるって感謝してほしいくらいだ」と言う池本巡査に整くんの一言。
ゴミ捨て…どこからですか?
もちろん池本巡査は「うちから、ゴミ捨て場まで…?」とわかっていない様子。さらに整くんは続けるんですよ。
ゴミ捨てって、家中のゴミを集めるとこから始まるんですよ。
できたヤツを持ってくだけで感謝しろと言われても、奥さん身体がしんどいんじゃないですか?
そうなんだよ〜。そうなんだよね。最近よく言う『見えない家事』の一つだと思う。なんなら、ゴミ捨て場に持ってくほうをやるから、家中のゴミ箱のゴミをまとめて、新しいゴミ袋に変えるほうをやってほしいよね…。
でも、私の元夫も昔言ってました。「ゴミ捨て、やってるし!」。家事はそれしかやってない挙句、玄関に置かれたゴミ袋、持っていくだけでしたけどね…。
このエピソードには後日談もあって、ゴミ捨てを一からやって喜んでくれた奥さんのことを「ヨメがうれしそうだと、オレもなんかうれしいなぁって」言ってたんです、池本巡査。
一緒に暮らすって、こういうお互いの思いやりの連続でうまくいくんだな…と思いました。
妻は救われない薮警部補のエピソード
仕事命で家庭を顧みず、妻と子どもが自動車事故にあったときも病院にかけつけずに死に目に会えなかった今回の真犯人、薮さん。そんな薮さんに対して言った整くんのセリフは…
楽しかったですか?
復讐は、楽しかったですか?
わぉ…なんてこと言うんだ…って感じですよね。でも続く言葉に納得。
家族がひき逃げにあったときも病院にかけつけなかったほど大事だった仕事を、復讐のためなら捨てられるんですね。
仕事と復讐のベクトルは同じだから、やりがいあることだったんでしょう。
家族に関わることはやりがいを見出せなかったんでしょう。
これ…耳が痛いと感じる男性、いるんじゃないかなぁ…。
薮さんにも言い分はあって、「遅くに生まれた子で、こんなじいさんが参観日に行ったら、恥ずかしいだろうと思った」と。「話さないと本人には伝わらないです」と返す整くんの言葉は、私も気をつけたい…。
そんな薮さんの洋服や装飾品などから、奥さんが薮さんの無事を祈り、身体を心配していただろうことを伝えます。そして、薮さんは同じことを奥さんに返したことがあったか、とも。
奥さんの好きな花を仏壇やお墓に飾ってあげてますか?
お子さんの好きな食べ物を供えてあげてますか?
そもそも知ってますか?復讐じゃなく、まずはそれをしたらどうですか?
整くんの提案に、肩を落とし、男泣きする薮さんの姿は、漫画としては一件落着だと思いました。思いましたが、ちょっと妻の立場としては納得いかない。
死んでからそんなことされても…されないよりはされたほうがいいんだろうけど、死んじゃってるからわからないですしね。結局、遺された人の、薮さんの救済にしかならないよなぁなんて思ってしまいました。ちょっと妻としては救われないですよね。(性格悪くてすみません)
ただ、私としてはこう思うけど、漫画に一切登場してない薮さんの奥さんがこう思うかは別で。こういう不器用な薮さんを好きで、それでいいと思ってたかもしれないですしね。
ただやっぱり改めて思うことは「話さないと伝わらない」し、「伝えたいなら話そう」だなと思いました。
真実は一つじゃない。一つなのは…
そして、タイトルにも書いたこのセリフ。過去に冤罪事件でやり玉にあがった巡査部長の青砥さんとのやりとりです。
冤罪事件とされているけれど、今でも当時の容疑者が犯人だと信じていて、「どれだけ虚言を尽くしても、真実は一つだから」と言った青砥さんに対して
真実は一つじゃない。人の数だけあるんですよ。
一つなのは事実です。
警察が調べるのはそこです。人の真実なんかじゃない。
と言い切った整くん。「人の数だけある真実」のエピソードもわかりやすかったし、まさにリアルでありそうな話なのもグッときました。
事の大きさは違いますが、我が家の子どもたちのケンカの仲裁が思い浮かびました。
母として、「中立であること」と「次に向けての解決」ばかり考えていましたが、「起こった事実はなんなのか」をキチンと把握しないと正しく先に進められないよなぁと思いました。
なんですが…実は長女にも次女にも「まずはケンカで傷ついた心に寄り添って共感ほしい」と言われたんですね。刑事と容疑者じゃなく親子なので、事実に目を向ける前に、姉妹それぞれが言う真実にも耳を傾けないといけないんだな…と思った次第です。
で、後日、次女がいろいろ嫌なことがあったときに共感を意識して声かけしていたら、今度は「杓子定規に共感してもらってもうれしくない!」と言われ、oh…と戸惑うことも(数時間後、「八つ当たりしてごめんなさい」と謝られました ^^;)。何年母業をやっていても日々学びだと感じてます。
そんなこんなで、実は謎解きも人間心理もおもしろい漫画です。1巻の最初のお話だけでここまで書いてしまいましたが、後半は2巻に続くバスジャックのお話が始まって、整くんに次ぐ重要人物が出てきます。
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